こんな問題を解きたい人のための授業
Ⅰ.molとは何か
Ⅱ.物質量とは何か
Ⅲ.アボガドロ定数とは何か
Ⅳ.水分子$1$molに含まれる水素原子は何molか
Ⅴ.メタン$32$gに含まれる水素原子は何molか
Ⅵ.気体のヘキサフルオロケイ酸$7$molの標準状態における体積は何Lか
これだけ理解しよう
物質量の問題は小学生の問題と全く同じ仕組みです
例えば
問.水素分子$1$molに含まれる水素分子は何個か?
問.鉛筆$1$ダースに含まれる鉛筆は何本か?
これらの問いは全く同質のものです
何故そうなるのかを説明していきます
物質量・mol・アボガドロ定数の説明
なんとかダースで量を示す = 物質量で量を示す
ダースという単位 = molという単位
$12$ 本という定数 = $6.0×10^{23}$ というアボガドロ定数
これだけです
例えば「鉛筆480本買ってきて!」と言われたら
「は?」となりますが
「鉛筆40ダース買ってきて!」と言われたら
多少理解しやすくなりますね
これと同じです
しかも原子の数は480どころじゃない
「え~ここに水素原子が$1200000000000000000000000$個ありますのでー…」
「?????」
しかし ダース と同じように mol を使えば
「え~ここに水素原子が$2$molありますのでー…」
と簡単に表すことが出来ます
皆さんが普段受けてる授業の風景ですね
つまり
$12$本の鉛筆を$1$ダースとして数えるように
$6.0×10^{23}$個の原子を$1$molとしたわけです
そしてこうしてmolを使って表した量を 物質量 と呼ぶわけです
ここまで来れば
問.水素分子$1$molに含まれる水素分子は何個か?
問.鉛筆$1$ダースに含まれる鉛筆は何本か?
が同じ問題だというのは分かるでしょう
鉛筆$1$ダースに含まれる鉛筆は$12$本であり
同様に水素分子$1$ molに含まれる水素分子は $6.0×10^{23}$個です
数問出しますので、考えて答え合わせしてみてください
アボガドロ定数は$6.0×10^{23}$とします
問.炭素原子 $18×10^{23}$ 個は何molですか?
問.水分子$1$molに含まれる水素原子は何molか?
何gはどうやって出すの?原子量って何?
原子量は$1$molあたりの原子の質量です
原子は$1$個あたりの質量がとても小さく、数えていられません
なので$1$mol分、つまり$6.0×10^{23}$個集めた時の質量を主に考えます
例えば炭素$C$は、$1$molつまり$6.0×10^{23}$個集めて$12$gです
なので炭素$C$の原子量は$12$です
同じように分子量は分子$1$molあたりの質量です
例えば、$O$の原子量が$16$で$H$が$1$の時
水分子$H_2O$の分子量は
$16+(1×2)=18$より、$18$です
では原子量・分子量に関する問題を解いてみましょう
問.メタン$32$gに含まれる水素原子は何molか
メタンは$CH_4$、$C$の原子量は$12$、$H$の原子量は$1$とする
体積はどうやって出す?何Lって?
最後に体積に関する問題を扱います
$1$molの気体の体積は標準状態で$22.4$Lです
そして原子量とは違う重要なポイントがあります
$22.4$Lというのは気体の種類によって変わりません
「アンモニア$1$molの体積は何だっけ…窒素$1$molの体積は…」
悩む必要はありません
全部一緒です
※ただし標準状態に限る。標準状態とはその気体は1気圧(1013.25ヘクトパスカル)、温度0℃の状態にあるということです。特別の記述が無ければ標準状態だと考えていいと思います。
では、最後の問題です
問.気体のヘキサフルオロケイ酸$7$molの標準状態における体積は何Lか
